1936(昭和11)年に創立され、県内の私立高等学校の中では最も古い歴史を有する。1999(平成11)年度より男女共学となり、令和元年度末現在で26,828人の卒業生を数える。
浄土真宗の精神に則り、「建学の精神」(学園の心)を生活信条として、豊かな人間性を育む「心の教育」の推進に努めている。本校は、平成7年度より普通科教育課程のなかでコース制を取り入れてきたが、導入以来長年が経過しており、コースの名称や教育課程も含めて大幅な見直しをはかった。その結果、平成29年度入学生より、従来の教養コースを廃止して、新たに特別進学・進学・キャリアデザインの3コースを設置し、1年次は特別進学・総合の2コース編制とし、総合コースは2年次より進学・音楽・福祉・生活文化・ビジネス情報・キャリアデザインの6コース編制とすることとした。それにより、社会の変化や生徒の実態に対応した教育課程を編成し、基礎学力の定着と将来の進路実現や社会生活に向けた能力・資質の向上をはかることをめざしている。新コース制になって3年が経過したが、今後は次期学習指導要領が始まる令和4年度に向けてコース編制の見直しを行っていく。部活動は従来から運動部・文化部とも盛んであり、複数の部が毎年全国大会に出場を果している。1学年は、特別進学コース1学級と総合コース6学級の編制、2学年は特別進学・進学・音楽・福祉・生活文化・ビジネス情報・キャリアデザインの7コースによる9学級の編制、3学年は特別進学・進学・音楽・福祉・生活文化・ビジネス情報・キャリアデザインの7コースによる8学級の編制となっている。
現在、生徒の約6割が進学、約4割が就職を希望している。ほとんどの生徒が自己の進路実現を果しているが、自主的な学習への取り組みが十分とは言えず、家庭学習が身に付いていない生徒がいるなど、学習習慣の確立と学力向上に向けての意識を高め、各自の進路目標の実現に向かって努力する意欲の高揚が必要である。
さらには、「学園の心」を基として感謝や思いやりの心をもった豊かな人格を形成し、将来社会に貢献できる人間を育成するため、次の目標を設定してその具体的な指導を行っていく。
項 目
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目 標・方 針 及び 計 画
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1
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教科教育
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目 標
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○学習に取り組む環境づくりと家庭学習の定着をはかり、自主的に学習する習慣を身に着けさせる。 |
計 画
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①生徒の学習実態を把握し、家庭での学習習慣の定着に結びつくよう、課題の工夫を行う。 ②「主体的・対話的で深い学び」の実践を通して、学習への意欲を高める。 |
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2
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宗教指導
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目 標
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○「学園の心」の具現化に努め、宗教的情操の涵養をはかる。
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計 画
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①宗教行事を通して、「学園の心」の理解と実践に努める。 ②宗門校教員としての意識を高めるため、様々な教員が生徒への講話の機会を持つ。 ③生徒が全校生徒に対して話す機会を設け、同世代の思いや考えを知るきっかけとする。 |
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3
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進路指導
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目 標
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○大学入試制度や就職市場の急激な変化に対応し、柔軟に進路を実現する力を身に着けさせる。
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計 画
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①進学情報を適切に提供し、学校研究・学校見学・受験先決定の過程を明確にする。 ②就職担当教員による会社訪問を重ね、企業と学校との連携を密にする。 |
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4
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生徒指導
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目 標
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○いじめのない学校づくりに努める。 ○さわやかな挨拶や時間厳守など基本的生活習慣の向上をはかる。 |
計 画
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①個人面談や学校生活調査等を通して小さな変化を見逃さず、いじめの未然防止に努める。 ②挨拶指導を継続的に行い、挨拶が苦手な生徒には教員から元気よく挨拶をし指導する。 ③教員自ら5分前行動を実践することで、時間を守る意識を高める。 |
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5
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特別活動
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目 標
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○集団活動(ホームルーム活動・生徒会活動・学校行事)や部活動、奉仕活動を通して、自主性・責任感・協調性・奉仕の心・思いやりの心などの人間性を育成する。 |
計 画
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①部活動大会報告や委員会活動報告を、生徒自ら校内放送を通じて全校に発信させる。 ②回収運動のグラフ化や各委員会のスローガン、ポスターなどの作成を通して生徒会活動を充実させ、全校生徒の意識を高める。 |
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6
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環境と
健康指導
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目 標
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○整った環境で学習や活動に取り組めるように、環境美化に対する意識向上をはかる。 ○「自分の健康は自分で守る」という意識を高め、健康診断後の受診率の向上をはかる。 |
計 画
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①学年・特活部(美化委員会)との連携をはかりながら日頃の清掃を徹底し、環境美化意識を高める。 ②「ほけんだより」等で健康に関する情報を提供するとともに、未受診者に対して保護者懇談会で受診勧奨を行う。 |
重点課題
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生徒の学習意欲を高めるとともに、自主的に学習活動を進めていく生徒を育てる。
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現 状
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・自ら学習課題を見つけ意欲的に取り組む生徒が少ない一方、学習課題を与えると真面目に取り組む生徒は多い。
・平日、休日を通して全体的に学習時間が少ない。
・目標を持って、学習時間の確保や学力向上に取り組む生徒が多くない。 |
達成目標 |
・家庭学習の時間を+30分を実践した生徒の割合・・70%以上 ・目標を持って学習活動に取り組んでいる生徒の割合・・70%以上 ・学校や家庭での学習時間が不足していると感じる生徒の割合・・10%以下 |
方 策
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・家庭学習時間「+30分」の目標を、生徒と教員の共通目標として定着を図る。 ・授業内容について、各教科・各教員で検討し、「主体的で、対話的な学び」の実践を通して、学習意欲が高まるよう工夫する。 |
重点課題
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・「学園の心」の具現化に努める。特に、感謝(「ありがとう」)を言葉にして伝えられる雰囲気づくりを心がける。 ・慈光堂や教室内で合掌する姿を美しく保つこと(beauty of form=様式美) と、堂内・教室内に響き渡る歌声を出すことを常に意識する。 |
現 状
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・慈光堂を、本校における「特別な場所」「中心となる場所」として、教員・生徒ともに認識していることが、礼拝の態度から感じることができる。 |
達成目標
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・慈光堂では、教員・生徒ともに、人の話に耳を傾ける時間・心を落ち着かせる時間であることを、共通認識とする。
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方 策
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・多くの教員に講話の機会を持ってもらい、宗門校の教員であるという意識を高める。 ・「報恩の日」に生徒(3年生)が話す機会を設けることで、生徒自身が同世代の思いや考えを知り、己の日常に刺激を与えるきっかけとする。 ・行事は特別な時間であることを生徒に意識させるため、移動時(入堂前)から静かにする、正装(ブレザー着用)で臨む、念珠を持参する等、担任が教室での指導を徹底する。 |
重点課題
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急激な変化に対応し、柔軟に進路を実現する力を身につける。 |
現 状
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・大学への進学は推薦が中心である。国公立大学への進学が少ない。 ・プロジェクトSや土曜講習の参加者の取り組みは向上している。 ・就職者の内定率は安定しているが、一部職種については合格率が低い。 |
達成目標
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・大学の合格者70名以上を目標に、一般入試での合格者を増やす。国公立大学への合格を目指す。 ・厳しい就職環境のもとの就職希望者の全員合格を目指す。 |
方 策
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・進学情報を適切に生徒に届けるとともに、学校研究・学校見学・受験先決定のプロセスを明確化にする。 ・就職担当者が40社以上を訪問し、企業と学校との連携を密にする。 |
重点課題
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「龍谷富山高等学校の生徒として誇りを持つ」 ・富山県で一番さわやかな挨拶ができることを目指す。 ・いじめを許さない学校づくり、いじめの未然防止・早期発見・早期対応に努める。 ・時間厳守。5分前行動を実践しゆとりを持って行動する習慣を身に着ける。 |
現 状
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・各学年との連携を密にし、いじめにつながる行動の早期発見・対応に努めている。 ・おおむね挨拶はするが、声量や作法に差がある。 ・遅刻の減少など、始業時の5分前行動は身につきつつあるが、ベル着の意識は高くない。 |
達成目標
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・いじめは起こり得るものとして早期発見。対応に努め「いじめゼロ」を目指す。 ・富山県で一番さわやかな挨拶を交わす学校を目指す。 ・時間厳守で規律ある雰囲気を作る。 |
方 策
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・生徒の声に耳を傾け小さな変化を見逃さない姿勢を打ち出し、各学年と協力し規律ある学校生活を送れるよう指導する。 ・「学園生活調査」を毎月実施し、生徒が気軽に相談できる体制を整える。 ・挨拶をうまくできない生徒には、教師から元気よく挨拶をし指導する。 ・教員が5分前行動を実践し、まず教員自らの行動を示すことで指導する。 |
重点課題
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集団活動(ホームルーム活動・生徒会活動・学校行事)や部活動、奉仕活動等を通して、自主性・責任感・協調性・奉仕の心・思いやりの心などの人間性を育成する。 |
現 状
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・真面目な生徒が多く、学校行事にも素直に取り組めている。 ・おとなしい生徒が多いので、積極性をさらに引き出せるよう、学校行事やホームルーム活動で一人ひとりに役割を与え、生き生きと取り組める場を設定する必要がある。 |
達成目標
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・学校行事には全員が全力で取り組む。 ・生徒自らが考え、実践していく生徒会を目指す。生徒会執行部から全校生徒に発信、各委員会からクラスの生徒に発信することにより、生徒全体の意識を高め、学校全体を活気づける。 |
方 策
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・部活動大会報告、委員会活動の報告・呼びかけを昼休みの放送を通して、全校生徒に発信する。 ・回収運動の月ごとの量をグラフ化したり、委員会でスローガンやポスターを作成したりすることにより、全校生徒の意識を高める。 |
重点課題
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・整った環境で学習や各種活動に取り組むため、環境美化についての意識向上を図り行動化につなげる。 ・「自分の健康(命)は自分で守る」という意識を持ち、疾病予防や健康の保持増進に努める態度を身につけさせる。 |
現 状
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・校内のところどころにゴミや綿埃が見られる。 ・自らの健康についての関心が高くなく、健康診断後の受診率も低い。 |
達成目標
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・「校舎は古くても、きれいな学校・気持ちのよい学校」を目指して、丁寧な清掃活動や進んでゴミを拾う姿などが日常化する学校を目指す。 ・健康診断後の受診率の目標値を学級では30%以上、学年及び全校では40%以上を目指す。 |
方 策
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・曜日ごとの清掃重点箇所を設定し日ごろからきれいな状態を保てるようにする。 ・特活部(美化委員会)と協力し、環境美化についての意識化を図る。 ・健康診断後、定期的に受診状況を配布するとともに、未受診者には「受診カード」を再発行し保護者懇談会で受診勧奨を行う。 ・「ほけんだより」などを活用して健康に関する情報を提供し、疾病予防のための基本行動(清潔保持、早期受診等)を自ら実践できる態度と意識を喚起する。 |